女子校のカーテンになりたい男の日記~とある喫茶店編~
朝、よく寝たなぁと思ったら十二時を過ぎてたということがよくあります。「春眠暁を覚えず」なんて春だと言いますが、秋バージョンは何でしょう...?なんて怠け癖の言い訳を探してましたが、僕は一年中ねぼすけでした。反省。。。
今日も十二時過ぎに起きてしまったダメ学生の僕に対して、
「早く卒業論文を書け!」と、教授が頭の中でやかましくするものですから、参考文献を買いに街へ行きました。古本市がやっていたのでエス小説がないかと熱心に探しましたが、見つかりませんでした。。。残念。。
欲しかった参考文献を買うことが出来たので、論文に取り掛かるべく帰途についたのですが、その道中、常々気になっていた喫茶店が目に入り、「せっかくなので入ってみよう」と足を踏み入れました。
秘封倶楽部といい、涼宮ハルヒの憂鬱といい、「物語が始まるのはいつも喫茶店から」というのが僕の持論です。 どうでもいい
店内に入ると、いかにも「マスター」と呼ばれていそうなご主人と、眼鏡の似合っている美人な給仕さんがいて、店内にはEarth,Wind & FireのCan't Hide Loveが流れていました。
Can't Hide Love - Earth,Wind & Fire
薄暗い店内中、オシャレな音楽がかかってていて圧倒されつつも、ブレンドコーヒーと今日のオススメケーキを注文して、さっき買った文献を読み進めます。
給仕さんが美人なので、何のアピールか、テーブルには難しそうな本と論文の参考資料を整理して置いています。わざわざ出す必要もないのにね。
すると、カランコロンと店先から聞こえてきて、女子高生らしい二人組が入ってきま した。一人は慣れたように、もうひとりは初めて来たのか、辺りをキラキラした目で見ながら眺めています。
僕が注文したコーヒーを持ってくる給仕さんを追いかけるようにして、女の子2人組は僕の隣のテーブルに座りました。
静かな店内。
他の客は僕を含めて本か新聞を読んでいるので、店内のBGMとともに、
彼女たちの会話が聞こえてきます。
(ここでは慣れようにしていた方を美月(仮名)キラキラした目で見ていた方を芽衣(仮名)と呼びます。)
「美月、私喫茶店初めてで緊張してきたんだけど....」『大丈夫、私に任せて!』
「ほんとこういうときの美月って頼もしいよね~」『芽衣がビビり過ぎなの!!』
なんて会話が聞こえてきました。
百合オタクとして、見逃せない光景がすぐ近くで広がっていますが、さすがに人が話しているのを見るのは失礼なので、会話だけこっそりと、本を読んでいるついでに聞いていました。こっそりとね。本を読んでるついでにね。
どうやら芽衣さん(仮名)は喫茶店に来るのが初めてのようで、注文の仕方や何が美味しいのかを、よく一人で来るという美月さん(仮名)に聞いているようでした。
「やっぱり美月って大人だよね~」『別に?喫茶店くらい普通だよ』
「いやいや、コーヒー飲んでるじゃん!私なんかメロンフロートだよ」
と、楽しそうな会話が聞こえてきます。
すると、芽衣さんが声色を変えて、
「そういえば、なんでここに通ってるの?学校から遠くない?」と聞くと
『まぁ、流れてる音楽が好きなのもあるかな~』とはぐらかすように答えました。
「かな~って、美月って洋楽好きなんだね、知らなかった!あたしキュウソとか最近のやつしか聴かないからな~」と不思議そうに芽衣さん。
『うん、父親の影響。今流れてるEarthのCan't Hide Loveは、女の子を前に気持ちを隠せないって曲ですごいいいよ!』
「美月ってロマンチストだったんだね」『違うって』息ピッタリの2人。
「さっき、音楽が好きなのもっていってたけど、他の理由は?」
『たまには知ってる人に全く会わない場所でぼーっとしたいかな...なんて』どこか遠くに言うように、美月さんは言います。
「あたしに教えちゃってるじゃん、いいの?暇な時、ここに通っちゃうよ~」と冗談っぽく返すと...
『いいよ、わたし、ここで芽衣のこと待ってるから』と微笑んでいるような優しい声色で答えます。
「やっぱりロマンチストじゃん!バラバラで行くの寂しいから、来週も一緒に行こうよ~」甘えるような声で提案すると....
『し、しょうがないな~じゃあ次の日曜も来よっか!』どこか、嬉しそうな美月さん。
話だけ聞いていると、最初からそのつもりだったんじゃないかと思います。
なかなか扱いが上手いなぁなんて思っていると、彼女たちのテーブルにケーキが運ばれてきました。
「ケーキひさびさに食べる~」とテンションが上ってる芽衣さんに。
『ここのケーキは美味しいからね!期待していいよ』と美月さん。
なんてお話があると思ったんですけどね、全部僕の妄想です。。。
そろそろお店も閉まってしまうので、今日はここまで。
結局論文に手を付けられなかったのですが、冷めてしまったコーヒーをお供に文献を読み切りたいと思います。かなしいなぁ。。。。