美術2の僕が篠山紀信の快楽の館に行ってきた

ある日、僕のTLにこんなツイートが流れてきました

 

 

中学生の頃から将来なりたい職業はドラマのクールごとに変わっていた僕ですが、
将来なりたい人はアラーキー篠山紀信が2トップを走っていました。
言わずと知れた日本写真界の巨匠です。

ヌード写真といえばと聞くと必ずこの二人が思い浮かぶと思います。

 

そして、美しい女性のヌードを仕事で撮る。しかもそれが芸術として評価されているって羨ましい…ずるい!!と、恐れ多くも2人の巨匠に対して中学生の頃に嫉妬していたのを、このツイートを見て思い出しました。

 

そんな中学生の僕、性に目覚めた頃はもっぱらブロンドの女性がメインの『BACHELOR』という雑誌ばかり買っていました。この間、久々にホームページを見たらChloe Vevrierさんが表紙を飾っていて、この人は何年第一線を走っているのかと驚きました。あと、Siri Suxxさんが引退したのを先日知りました。デビューをこの雑誌で知っただけにショックです...

ここから僕のフェチズムが始まり初体験につながるのですが、それは下のTogetterにまとめています。(別垢で書いたレポ。手前味噌ですが割りとえっちです)

 

めっちゃ話がズレましたね..!

なので、日本人のヌード写真雑誌をほとんど読まなかった僕は「篠山紀信」という名前や仕事内容は知っていても作品はほとんど見たことが無かったです。でも父親の書斎に隠すようにおいてあった『Santa Fe』(宮沢りえのヌード写真集)は読みました。当時の記憶ですが、よくわからなかったです。

ここで、作品をよく知らないのに憧れているのはなんかダサイなぁと思ったので、

じゃあ行ってみようと思いました。
芸術の秋だし!

 

女性の裸体を撮ることが仕事ということへの嫉妬心を取り戻した僕は「ヌード写真って芸術を隠れ蓑にした金持ちの道楽だろう…へへへどんなに凄いのか見てやろうじゃないか」と、腹にも一物を抱えて、品川の原美術館へ行きました。

そして、生意気な動機で足を運んだ僕は「「「これが芸術だ」」」と言わんばかりの圧倒的な作品たちに打ちのめされました。

 

いざ品川


電車の中で、イベントの詳細を調べると「70の裸体が」という文言を見つけ、「えへへ~快楽の館かぁ」と鼻の下を伸ばしニヤニヤしていました。これから僕が行くのはあくまで美術館。美術の評定を2しか取ったこと無いので芸術とポルノがごちゃごちゃです。関係ないか

今回の舞台である原美術館。駅から少し遠いです。わりと歩きます。実際に行かれる方は地図に注意した方がいいです。HPに分かりやすくアクセスが載っているので目を通してから行って下さい。
僕はグーグルマップが暴走したので30分迷いました。

http://www.art-it.asia/u/HaraMuseum/?y=&m=&d=&ca1=7←アクセス

 

「一際大きな家があるなぁ…どんな悪いことをすればこんな家が建てられるのか」と思うような建物が原美術館です

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 一歩中に入ると、庭で女性のヌードになってる!しかも、おじさん立ちがそれを真剣な眼差しで撮影している!!!

こんな光景を見たのはコミケ以来だ!!

ここはコミケか?

いや快楽の館だ!!と変なテンションになってしまいました。

しかし、冷静になって見れば見るほど違和感を覚えます。それもその筈、ヌードの女性は、同じ場所で撮影されたパネルです。そう、今回の展示は原美術館の中で、実際にヌード撮影された場所と同じ場所にパネルとして展示するというものなのです。
裸体を晒した女性だけがパネルという違和感にはとてもインパクトを受けました。

 

 入場 1階 裸体こわい

受付でお金を払い、近くの部屋に入ると大きなパネルが…
全裸の女性が開脚しながら新体操ばりの美しいジャンプをキメています。

この写真はHPで見れますhttp://www.art-it.asia/u/HaraMuseum/?y=&m=&d=&ca1=1

他にも、階段を無表情で歩く全裸の女性や常設展示作品に全裸で立っている写真などが展示されています。

 

 この作品たちを見て、不思議なことにエロいという感情を全くいだきませんでした。むしろ怖いとさえ思いました。

写真の中に出てくる女性はほとんどが無表情で、「いる」というより「配置されている」と表現したほうが正しいと思えるくらい無機質に感じたからです。
ポルノとして見てきた女性の裸体の写真はどれも血の通っていて、動的で、セクシーで、挑発的だったのに対して、この展示では、無表情で、静的で、存在していることの違和感を覚えさせる存在感がありました。

 

特に、怖いと感じた展示が1階の大部屋にある壁一面の展示。

 

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 この画像のように10人以上の無表情の裸体の女性から見つめられるという写真で、どこから見ても全員と目が合うという作品です。
正直、冷や汗が止まりませんでした。と同時に女性の裸体をここまでエロく感じないことかと驚きました。

軽いお化け屋敷よりも怖かったです….

 

2階 快楽の館

それとは打って変わって、2階の展示はとてもエロティックな内容になっています。やったね!!

みんな大好き!壇蜜さんが一糸まとわぬ姿で艶めかしい表情をしている写真が沢山展示されています。あと、ちょっと薄暗いです…ムードがあるね。

現代日本のセックスシンボルここにあり!!と言わんばかりの大きいパネルで展示されています。肝心なところは見えないですが、その分、肌やヒップなど、お手入れの行き届いてる肢体を間近で見ることが出来ます!


一番大きいパネルの壇蜜さんの写真で、紳士っぽい服装を来たおじさまに手を引かれているものがあるんですけど、すごく艶っぽい表情をしていて、背景が薄暗がりなのも相まってとてもインモラルな写真だったのが印象的でした。

このコーナーでじっくりと見ている人の7割以上は女性でした。壇蜜パワー凄い….

この他にも、男性のヌード写真が6畳ほどの部屋一面に飾られている部屋や、JamiroquaiのVirtual InsanityのPVのような部屋(常設展示作品)があり、未知のものからベタベタ触れて来たと思うくらい情報量のある展示でお腹いっぱいでした!

 


Jamiroquai - Virtual Insanity (Official Video)

こんな感じのSF映画のワンシーンのような部屋があります

 

この快楽の館でヌードを披露されているモデルの方達は一作品だけでなく、館内の様々な作品に登場しているので、気になった人を追いかけて展示を回っていくのも面白いと思います。
展示されているスペースごとで作品の色味や温度感、表情が全く違っているので
「あの無表情だった人、こんなに艶っぽい顔するの???」と驚いたり、新しい発見ができたりして楽しめました。

 

おしまい

写真によっては百合要素もあったので百合オタクの方々にもオススメです!!(?)
併設されてるカフェテリアがめちゃくちゃオシャレだったので刺激的なデートにも使えますよ。オシャレすぎて僕は入れませんでした。

 

芸術のげの字も理解していないような僕でもこの展覧会をとても楽しめました。
みなさんも芸術の秋に美術館デビューしてみてはいかがでしょうか!
ちなみ

『快楽の館』は来年2017年1月9日までやっています。

 

今回の訪問で美術館欲が高まったというか、美術館に対して持っていた敷居の高さをいい意味で払拭できました。

こんな面白い美術館があるよって方はDMやコメント欄で紹介していただけるとうれしいです。